
夏期に入って1ヶ月余り、
そろそろ皆さんも今期のアニメに対する品定めは大体完了した頃合いなのではないかと思いますが、
如何でしょうね、世間的な評価と言うものは。
勿論十人いれば十通りの見方があるので、
別に自分と世間との評価にズレがあったからどうだって話でも無いんですが、
他の方の見方と言うのはやはり面白い面白いもので、
読ませていただいていると成程なーと思う事もしばしばあります。
気付かなかった伏線に気付かせてくれたりなんかも勿論あるんですけどね。
残念ながら私は基本的に記事書いてるものしか観てないので、
「今期は豊作か不作か」云々の論議には参加資格がありません。
でもまぁ、視聴している作品に限って言えば当たりなのかなーと。
キャラ的にもお話的にも構成的にも。
キャラ的に一番印象に残るのは間違いなくもこっちですけどね。
この声とキャラはすぐには記憶から消えそうもありません。
というわけで本題。
今日も今日とてモテないもこっちの女子高生活奮闘記。
スキルアップ目指して頑張るそうです、何のスキルかは知りませんけど。
それでは宜しければ続きからご覧ください。






花の女子高生になって早三ヶ月、未だにモテる気配の無い状況に焦るもこっち。
何か行動を起こさなければ変わらない現状を憂う彼女が、
鑑賞していたアニメから得た新たな着想。
そう、自分に足りないモノ、それは“キャラ設定”である、と。
………ツッコんだら負け。







翌朝、早速無口無表情キャラとして再デビューを計るもこっちの図。
母親からの問いかけにも無反応、弟からの問責にもポツリと一言で返答するのみ。
母親はまたいつもの発作だと海の様に広い心でスルーしてくれましたが、
残念ながら弟のメンタルリミットはまだそこまで達観していないらしく、
普通にシバき倒されて已みにけり。
中々キャラを浸透させるというのは難しいものです。
というか家族に対してキャラを作ってどうする。








無表情キャラを諦めないもこっちは学校でも作戦続行中。
元々誰ともコミュニケーションを取って無かったので、
別にキャラを変えようと日常は何も変わらないのですが、
いやぁ、それにしてももこっちの灰色の女子高生ライフは見ていて痛ましいですね。
「無口キャラって関わる相手がいるから成立するわけで、
1人きりだと無口でいるのが当たり前で、
別に特別な事でも無いんじゃ………」




結局そのまま放課後まで無表情を貫いた根性はでも立派。
毎回の事ですが努力の方向さえ間違わなければ、もっと明るい未来もあるでしょうに。
もっとも幸せなもこっちなんてもこっちじゃないので、そんな未来はノーサンキューですが。
そんな灰色のもこっちが通りがかったのは、この間優ちゃんと再会時に利用したお店。
今の自分の無表情なクールキャラを以てすれば、
こういうお店に1人で入って優雅に時間を潰すという大胆な行為も達成出来るのではと、
色々と勘違いしたもこっちは勇気を持って踏み出します。
ホントこういう行動力だけは、ご立派の極み。




出迎えたイケメン店員のマニュアル通りの言葉に、
無表情というか無口というか、最早失語症患者の様な装いで、
無言でカプチーノを指し示し、無事に注文を終えたかと思いきや、
更なる刺客、サイズ指定が襲いかかります。
連続で指トンで指図するのは良心の呵責が咎めるらしく、
勇気を振り絞って立ち向かうもこっち。




「………“ジャイアント”」
「は? あ、はい、えーと………“グランデ”ですね」
花の女子高生はショートとかトールとかグランデとか知らないそうです。
まぁ別に知らなくても生きていけるとはいえ、
笑顔でスルー&フォローしてくれたイケメン店員の優しさが傷に染みます。
マニュアル通りですけど。



グランデサイズなので当然値段相応に巨体で登場。
余りの巨大さに一瞬言葉を失うもこっちでしたが、
いや、間違ってたとは言え、一番高いサイズ頼んだわけだし、
自分でも「ジャイアント」って言ったわけだし、別に驚くところでは無い。
そういえば昔マックであった1ℓくらいのジャンボサイズコーラって今あるんですかね。
自分の普段の行動半径内にマックが無いので確かめようがないんですけど。




敢えて奥まった席ではなく、街路に面しているカウンター席に座るもこっちの心意気。
椅子の高さに対する身体のミニマムさのギャップが顕著で妙に不安になる絵面ですが、
ともあれ、まずはクールにカプチーノという代物の味を確かめてやろうと、
グイッと一口いってみて、その余りの苦さに絶句。
あるある………なのかしらね、初体験だと。







とてもそのままググイッと飲める味じゃないと困ったもこっちは周囲を確認。
そこで見付けたハチミツやチョコシロップの下へ行き、
店員さんの目に怯えながらあらゆるものを利用した挙句、
出来上がったのは罰ゲームでしか出番が無さそうなスペシャル喪女ドリンク。
勿論奇跡も魔法もあるわけはなく、普通に絶望的なお味に悲しみのもこっち。
………不幸だ。






最悪のソロデビューとなってしまった今回の出来事。
半ギレしながら席を立つもこっちを天はまだまだ見逃してはくれませんでした。
背の高い椅子から降りる時に着地に失敗し、
もこっちの未成熟な肢体は店舗の床に叩きつけられて肉体的、精神的ダメージ大。
まぁスペシャルドリンクが頭上に降りかからなかっただけマシと思いましょう。






翌日、昨日の惨憺たる結果で無表情キャラに見切りをつけて、
ようやく本来のもこっちの色が戻ってきました。
さて、いつもの様にぼっちであるが故に耳に入るクラスメイト達の雑談。
その中でもこっちが捉えた次なるキーワードは“プリクラ”でした。
嫌な予感ビンビン。




熟考の末、無表情キャラから笑顔が可愛い女の子へのクラスチェンジを計るもこっち。
かといって1人でリア充の巣窟、プリクラコーナーに侵入する勇気は出ないのか、
優ちゃんを誘い出す事にした様です。
2人が並ぶと明暗が分かれて、優ちゃんの影に隠れるどころか潰されてしまうという現実を、
もこっちはどうやら理解していない様子。
が、幸いなことに優ちゃんはここ数日予定が入っているらしく、電話は不首尾に終わりました。
彼氏とデートでしょうね、どうせ。







次善の策として白羽の矢が立てられたのは毎度苦労をかける事を厭わない相手、弟くん。
懐柔の道具としてコーラ缶を用意して釣り上げにかかりますが、
箸にも棒にも掛からない、にべもない断りの返答に、姉敗北。
しかし、よくコレで表面上だけでも冷静を保てるものです、弟くんは。
慣れと諦めとは恐ろしいもの。

たった2人で万策尽きてしまったぼっちのもこっちは、
仕方なく単騎で敵陣に潜入、
目標の建造物を目視で視認出来る距離まで接近する事に成功します。
だがしかし、本当の難所はここから。






初体験の空間に戸惑い、音声案内に怯えながら硬貨を投入。
遂に撮影の瞬間を迎えたもこっちは、
画面の中のお姉さんから指定された“可愛いポーズ”という単語に激しく動揺。
これまでの人生で一度も意識した事の無い存在にもこっちはアテもなく、
ただ音声案内に言われた事だけを頼りに必死にポーズを取ります。







まぁ確かにピースとアヒル口は基本形。
そこから座禅を組む修行僧の様なハートマーク、
今から舌噛んで自殺しそうなテヘペロ顔、
迷走していく自分の姿に、もこっちのメンタルポイントはガシガシ削られていきます。
出来上がったシールが弱り果てたもこっちにトドメを差し、
こうして人生初のプリクラも数あるトラウマの1つに仲間入りしたのでした。
めでたしめでたし。









ちなみに貴重なプリクラの数々は愛する弟に提供。
心優しい姉ですね、弟くんも四方八方を姉に囲まれてとても幸せそうです。
貼る場所とか貼り方とか、何気に手が掛かっているし。
400円、良い買い物でした。




また別の日、無表情キャラにも笑顔の似合うキャラにも失敗したもこっちが、
それでもめげずに次に目指すのはTVで特集していたキャバ嬢の様な、
相手を選ばないトーク力のある喋れる女子。
思うだけなら無料ですからね。
ていうかホント、良い例が側に居るんだから、優ちゃんに相談すればいいのに。
親友だからこそ、弱みを見せる様で相談出来ないんでしょうか。
その時点で親友かどうか怪しいものですが。



どうも本気でキャバクラで働く事にしたらしいもこっち。
採用面接の様子をシュミレートして備えるあたり、それなりにマジな様です。
といってもコンビニでライター買っただけですけど。
相変わらず努力が方向音痴。








公園でライター片手に薄ら笑いを浮かべる危ない女子高生が1人。
隣のベンチに座ったリーマンがタバコ休憩するのを確認して、
すかさず熟練のキャバ嬢の様に火を差しだそうとしますが、
残念ながら脳内シュミレーションばかりでリハーサルを怠ったもこっち、
ライターが上手く点けられずにミッション失敗。
だが諦めないもこっちは夜までかかって、
ライターの点け方と差し出すタイミングを反復練習し、
一応自分の中で納得出来る領域までスキルアップ出来た様です。
良く通報されなかったもんだ。






やるからには徹底的に。
帰宅後も弟の淹れたコーヒーを掻っ攫って、ロックの練習を始めるもこっち。
当然ですが、速攻で溶けます氷は。
そのままドヤ顔で弟くんにお手製のコーヒー(ブラックロックなんとか)を振る舞う姉に、
弟からアイアンクローのお返しが。
今日も姉弟仲良く、夜も更けていくのでした。







更に翌日。
キャバ嬢としてのスキルをマスターしたらしいもこっち、かなり調子に乗ってます。
そして早速放課後、目当てのキャバクラの下見の為に歌舞伎町へ。
何故制服姿で来たし、補導されるっつ-の。







始めこそ息巻いていたもこっちも、
次第に未知の世界の危険な香りにメスの本能が怯え出し、
さっきまでの威勢は何処へやら、
精神的な圧力が限界を超えて脱兎の如く逃げ出す事に。
まぁ、高校生の時に、しかも夜も良い時間に、
初めて歌舞伎町に行ったのなら、そういう気持ちになるのも分からなくはないですが。




折良くかかってきた母親からのいつも通りの電話に、
家族の温かみを感じたのか、先程までの心細さが解消されたのか、
涙が溢れてきたもこっちは、ようやく憑き物が落ちたかの様に素直に家路につくのでした。
イイハナシに思えますけど、結局今回も何も進歩無し。
もこっちの明るい未来は依然として遠いです。


次回「モテないし、花火に行く」に続きます。
新しい、というか今回だけっぽいエンディング。
何となく歌詞的に『日本昔ばなし』を思い出しましたが、
まぁそんな些細な事はアヘ顔Wピースのせいで吹き飛びましたね。
………もうやめたれ。
ありがとうございました、次回も宜しくお願い致します。
失礼します<(_ _)>