
昨日、というか記事を上げてるのも書いたのも同じ日なんですけど。
正直こうなるのはとっくの昔に分かり切っていた事ですよね。
最早前世からの運命と言っても差し支えないレベル。
この作品もそんなノリの内容の様ですし、所謂1つのディスティニー。
というわけで2013年春アニメ1作目はこちら、
『断裁分離のクライムエッジ』となりました。
『シュタゲ』のサブタイトルみたいな名前ですが、立派な作品タイトル。
原作は漫画だそうなので、これは色々と期待出来ます。
最初は記事にするつもり40%くらいだったんですが、1話を観たのが年貢の納め時。
きっと世界の大いなる意思が働いたんですね、仕方ない。
それでは宜しければ続きからご覧ください。






その街には1つの噂話がありました。
曰く「林のトコのバス邸の奥、そうそう、坂を上った先にある、
古くて白い屋敷にはね、長い髪の幽霊がいるんだって」
とある昼下がり、バス停を降り間違えた主人公、灰村 切(はいむら きり)は、
改めて学校を目指す努力を完全に放棄して、
というか髪フェチの血が騒いで無意識的にバス停を降り間違えて口実を作ったんでしょうけど、
その噂を思い出しながら、噂の美少女が棲むという屋敷を一路目指します。
ここで道に迷わないあたり、最初から計画的犯行だったと言わざろう得ない。






「そこには、髪の女王がいたんだ」
そうして彼が森の奥の洋館のテラスで出会ったのは、
想像を絶する程の豊かな緑髪を携えた少女、武者小路祝(むしゃのこうじ いわい)。
見るだけだから、何もしないから、とか言いつつ、
鋏を取り出し呼吸を粗くしながら身体が勝手に吸い寄せられる様は、
大神隊長に勝るとも劣らない堂々たる変態っぷりです。







振り返ったら興奮で呼吸の乱れた異性がガラス越しにこちらを視姦している状況。
当然の成り行きとして祝は驚き、その動揺に連動して切もまた驚き、
ガラスとおでこがゴッツンコ。
ここで屋敷に駆け込んで警察に通報していたら物語が終わるところでしたが、
素直で可愛い祝は切を心配してテラスから飛び出して駆け寄って来てくれます。




救急箱を取りに屋敷の中へと踵を返す祝の、地面にまで届く程の見事な髪の毛。
思わずそれを手に取ってしまって、この演出ですよ。
恋に落ーちーるー音がーしーたー。
「髪、引き摺っちゃうの? ………持つよ」
謎イケボ。
この髪が関係するシーンに対してのスタッフの過剰な気合の入れ方は本作の特徴ですが。
冷静に考えてトキメク瞬間では決してないよね、普通髪の毛に勝手に触るの嫌がるでしょ。
それとも何故か嫌な感じがしなかったのは運命の相手だからとでも言うつもりかー。
くぇー。







そこで初めて、祝は切が手に鋏を取り出している事に気付きました。
完全に不審者。
切は内心で言い訳がてら、己の人生、変態性の獲得の経緯を語り出します。
髪を切るのが好きでよく家族の髪を切らせて貰っていたんだけど、
いつしか切らせてくれなくなって髪を切りたい欲求が胸中で燻りだしたとか何かそんなの。
このマイ鋏はその頃からずっと愛用している特別な鋏だそうです。
呪いの鋏じゃねーか、それ。





「髪を切りたいって欲求、強いままなんです」
「そっか、それで………私」
「と、兎に角ゴメン! いきなりこんな事………ッ!」
「ううん、そんな………びっくりしたけど、でも、ちょっと分かる気がする」
初対面の女の子に異常な性癖を暴露していくー。
これが普通の恋愛物だったら物語はここで強制終了でしたが、
この世界はどうやらこの程度の異常は普通に呑み込める類のものらしく、
祝も何故かあっさりと納得してくれました。
何故だ………。






「………切らせてあげたいなー」
「えッ!? いいの!? いいの!?
ホントにッ!? ホントにホントにッ!!!?」
「わ~~~~~~~~~~!!!!!!?」
切の切実な様子に何の母性が刺激されたのか知りませんが、
うっかり甘い言葉を呟いた途端、枷が外れたかの様に野獣と化す変態少年。
すげー、年頃の少年が年頃の少女を押し倒しているのに全然エロくありません。
2人ともまだ中学生くらいですっけ、祝は下手したらもっと幼い可能性もありますが。



「私、切れないのー!」
両者合意の下、突然始まった散髪デート。
今日初めて会ったばかりの美しい、それも他に類を見ない程の国宝級の髪を持つ少女。
これまで切がどれだけの髪を切ってきたのか不明ながら、
突然降って湧いた様なこの至福の状況に緊張する余り、顔が酷い事に。
祝も祝で初夜直前の花嫁みたいな極照れな表情を浮かべておりますし。
色々間違ってる気がするの、この作品。






切にとって人生最高のエクスタシーを感じる筈だった瞬間は訪れず、
生まれてから一度も髪を切った事が無い、切れた事が無いという彼女の言葉通り、
切った端からすぐにつっくいてしまうという驚異の超再生力に阻まれてしまいます。
祝の部屋にあった鋏で駄目なら、切のマイ鋏を使えばいいじゃない。
………なんていう無粋な発言はもう少し先まで封印。



「僕はこの髪、好きだよ」
「はわわ~、き、切くんて変な人だね………」
「ご、ごめんなさい………」
呪われた自分の髪を自虐気味に笑う彼女の様子に、
何か共感するところ大だったらしい切は祝の後頭部に口付けて、
とても愛おしそうに髪の毛の匂いを嗅ぎだしました。
大変な変態がここにおる。
流石の祝もこれにはドン引きで、拒絶の意思を明確に表します。
まぁあれです、舐めたり食べたりしないだけまだマシだったと言えなくもないかも。







「切れなくても、ハァ…触っているだけでも嬉しい……ハァ……ハヵ」
「ん………あ………」
それでも懲りずに、今度はやたらとエロい指使いで祝のサラサラの緑髪を弄び始める切。
どんだけ髪の毛が好きなんでしょう、この変態は。
祝も何故か気持ちよくなっていっちゃってるしね、吐息が無駄にエロいです。
このシーン、髪の毛の動き1つ1つにスタッフの熱い情熱を感じずにはいられません。
つくづく頑張るシーンを間違えと-る。
でもこれを見て記事を書こうと決めた、決定的なシーンでもあったりね。
折角なので切り取って動画も載せていくスタイル。
そのくらい素敵に変態なシーンだと思うの、個人的に。
指の動きから髪の毛突いた時に輪郭が揺れるところとか、サラサラ感とか、
祝の恥ずかしいのを我慢している表情や、お互いの吐息やら………etc.
これは観るしかなくなりまっすて、マジにー。






ふぅ………。
あのままだと2人が向こう側の世界に旅立って帰ってこれなくなるところでした。
危ない危ない、18禁になるところでしたね、髪フェチが昂じて。
そんな放映継続の危機を救ってくれたのは誰有ろう、ていうか誰ですかねホントに。
祝曰く、この2人は病院坂さんと仰るそうですよ。
黒猫さんや迷路先輩の親戚でしょうか。
姉の方に強制退去させられる切と、妹の方に事務的にあしらわれる祝の図。





「あの人達、殺人鬼なの!
正確には殺人鬼の子孫だけど、
先祖から伝わった、殺しの道具を持っているの!
あの人達はそういう恐ろしい組織の一員で、私を監視しているのよ!」
ここの祝の顔シンプルで可愛いなぁ。
コートを回収するという名目で、先に病院坂姉妹が出て行った後。
部屋に戻ってきた切に対して祝が放った衝撃の言葉。
………の筈なのですが、あれだけ髪関係でフェティッシュな演出をしまくった後だからか、
凄い普通の事柄の様に聞こえて緊張感が全く感じられません。
そんな設定はどうでもいいから、
髪の毛関係のエロい演出だけで1クール丸々やってくれないかしら。
それともアレでしょうか、
戦闘で勝った相手の髪の毛を自由に弄れる権利とか発生する仕様になるのでしょうか。
あながち冗談でもなさそうなのがこの作品の怖いところ。




帰り道は病院坂姉妹のエスコート付。
祝から聞いた厨二病設定を話したら大爆笑されました。
うーむ、最初の敵はこのコンビになるのかしら。
この人達は外敵から祝を守護するボディガード的な存在に思えますけど。
妹の突き刺す様な視線が超怖い。
とりあえず切の殺しの道具はこのマイ鋏ですよねぇ。
祝はなんでしょ、やっぱ髪の毛で首を絞めるとか、
口や鼻を塞いで窒息死させるとか、髪の毛に妖力を流して硬化させて飛ばすとか。
おぉ、髪の毛って可能性無限大。






「うっふふふー、髪は女の命よー」
「………あぁ、そうですね、それが何か?」
クラスメイトも可愛いのぅ。
それはさて置き、どうも切に髪の毛の話題を振ってからかうのが仲間内での恒例行事だった様ですが、
祝(の髪)と出逢って心奪われた今の切の瞳には、
祝(の髪)以外の存在は道端に生えている雑草程度にしか最早映らないとか何とか。
恋は盲目ですね、対象は髪ですけど。
最終的に「僕は祝が好きなのか、祝の髪が好きなのか分からない!」みたいな葛藤が生まれるのかなー。
若いって良いですね。




てっきりあの病院坂姉妹に出禁喰らってるものとばかり思っていましたが、
普通に祝と逢瀬を重ねております。
ベッドに仰向けになると髪の毛の量の半端無さが分かります。
切っても直るという事は、トリートメントとかしなくても、
常にサラサラの状態に保たれていたりするのかしら、だとしたら超羨ましいですけど。
枝毛とかの心配も無いのならば尚素晴らしい逸材。
シャンプーのCMとかに出演したらいいのに。



この髪の毛のせいで学校に通う事も出来ず、不自由なくらいを強いられてきた祝。
もしも生まれ変われるのならば普通の髪の毛に生まれたいなぁと思わず零す程。
でもそれは所詮夢でしかないと自虐気味に笑い捨てる彼女の痛ましい様子に、
思わず切は訊かずにはいられません。
「やっぱり、切れて欲しい?」
「うん」
「………“髪は女の命”って言うじゃない?」
「ポリシー持って伸ばしていればそうかもしれないけど、
私のは………伸びちゃってるだけだから。
………………“命”なら、今すぐ“殺して”欲しい」
さて、ここでようやく少年が戦う理由がはっきり見えてまいりました。
ボーイ・ミーツ・ガール(ズ ヘアー)。
少年は少女の髪の毛を切る事が出来る伝説の鋏を求めて、
殺人鬼同士の殺し合いの螺旋の中に飛び来んでいくんですね。






良い雰囲気になると邪魔しにくるスタイル。
またしても病院坂姉妹が乱入してきたばかりか、
今回は険しい表情のまま、二度と祝に関わるなと切に向けて再度の警告を飛ばしてきます。
その言葉よりも何よりも先に、祝の綺麗な緑髪を蔑む様に扱う姉の態度に怒り爆発。
「アンタ、嫌な感じだ」
「言ったでしょう? コイツの父親だって、もう死んでるって」
「お父……さんが………?」



「………貴方達が殺したんじゃないの? キリング・グッズで」
場の雰囲気が一触即発のソレに様変わり。
どうも病院坂姉妹の触れてはいけない部分に踏み込んでしまったらしく、
今まで髪の毛を愛でるだけの変態アニメだったのが嘘の様に空気が硬化。
普通のバトルストーリー展開が始まってしまう予感がビンビン。







「あぁ、あぁあぁ、そうか成程ねぇ。
父親の変わりってわけだコイツは。変わり身早いねぇ」
「ちが…違うよ、私はそんな事………ッ!」
「ッ! 辛かったら自分一人で耐えなさい!
アンタの重荷を他人にまで背負わせるな、“髪の女王”!」
容赦の無さも一際に、
祝の髪を掴んで床に引き摺り倒して追い打ちまでキッチリの三段コンボ。
でも言っている内容は案外マトモというか、切を巻き込まない様にと、
祝の甘えを斬り捨てる類のものでした。
至極尤も、彼女の言は正論万歳なんでしょうけれども、
女の子が泣いているというだけでヒーローには戦う理由が出来てしまうのが世界の選択。







「お、お前ッ!」
「そして灰村切。お前は何もすべきでは無い。
………もし、それでも尚、と言うのなら、お前は私達と戦う事になるだろう」
注射器きたー。
これまた鋏に負けず劣らず分かり易くてコンパクトな武器がやってまいりました。
まぁ病院坂妹のイメージにはぴったりですけど。
姉の方は金属バットあたりで十分似合う気がしますしね。
やっぱり病院坂の名前は伊達では無かった。




今にも戦端が開かれそうな空気を霧散させたのは祝の涙ながらの懇願。
切は全然関係無くて、全ては自分が悪いのだと、
自分なんて死ねばいいんだと泣きながら呟く姿は痛ましい筈ですが、
ごめん、髪の毛に埋もれて何かの妖怪みたいになっちゃってますよ。
無駄に癒されるー。







切れない自分に何が出来る………。
無力感に打ちのめされて帰宅し、1人塞ぎ込む切。
そこへ心配した爺ちゃんの口から、灰村家の先祖には人を切った殺人鬼がいる事を知ります。
爺ちゃん、何故今ここでそれを暴露しようと思ったかはさておきグッジョブ。






呪われた名前、“地下室の悪夢”ノーマ・グレイランド。
だから灰村かいな。
全ての符号が、切が幼い頃から愛用しているマイ鋏こそが、
“地下室の悪夢”から伝わるキリング・グッズだと示しています。
さて、これでもう何も出来ないなんて言わないし言わせない。








「月を………見てたの。誰かが私を殺しに来てくれる気がしていた」
「………うん、殺しに来たよ」
「ん………切くんになら、殺されても良いかも」
月明かりの下、窓ガラス越しに触れ合う、呪われた少年と呪われた少女。
運命と言うならばこれこそ運命か、
その歯車を回しているのは神様と言うよりも死神の方でしょうけれども。




「無理だよ、私の髪は切れないよ。
絶対に死なない髪、殺す出来ない髪。
………呪われた、髪」
「コイツも、呪われてるかもしれない。
………祝ちゃんは言ってたよね、殺人鬼の道具の話。
もしかしてと思ったんだ、コイツでだけは、まだ試してなかった」
先祖に殺人鬼が居たとか、自分の愛用の鋏がその道具だったとか、
色々と混乱している部分も本来はあるでしょうに。
それを全て取っ払って考えるのはただ1つ、泣いている女の子を救う事だけ。
絶望に支配された少女の心を照らすのは希望を携えた少年の光だけ、的なね。




「髪を………切らせて………」
イッケメーン。
言っている内容はアレなのに、何故こんなに感動するのか。
神に、髪に必死に祈りながら、髪の毛に鋏を通し、指に力を込めます。
その結果は勿論。










「切れたよ………ほら、切れた」
「………………生まれ変わったみたいだ
切くんが初めて、私を“殺して”くれた!」
切られた箇所を愛おしそうに何度も何度も手で梳いて、静かに涙を流す祝。
感動の最終回というか、まぁ謎も伏線も何も回収されてませんけど、
ホントにこれで終わってもいいくらい綺麗なラストよねー。
祝にもようやく、心からの笑顔が戻りました。
ミッションコンプリート。




“地下室の悪夢”の鋏、人間を断裁し分離する、呪われた鋏。
その銘は“断裁分離のクライムエッジ”。
今勝手に2人で名付けた名前ですけどね、とりあえず仲が深まった様で何よりです。
こうやって良い雰囲気でいると、またぞろ病院坂姉妹が乱入してくるフラグになりかねませんが、
流石にここはお邪魔虫しないかしら。





「おーよしよし、これからも宜しくねークライムエッジ」
「………使うの僕なんですけど」
「………えへへ。………切ってください、私の切くん❤」
かーわーいーいー。
第一話にしてもう完全にラブラブカップルが成立しております。
きっと今夜はこのままお泊りで、生まれ変わった祝の最初の思い出作りですね。
そうでなくても祝の方は興奮で寝つけないでしょうけれど。




………まぁある意味これも思い出作りかしら。
確かに今夜はこのままここに居残ってますが、当然の如く色気も何も無し。
祝が楽しそうなので文句もありませんけどさー。
ていうかまた随分とバッサリいきましたね。
来週から完全に別人のなってまう。
普通の髪の長さになったら学校にも普通に通えるし、とりあえずは転校してくる流れに一票。

次回「異端の肖像」に続きます。
いよいよ本格的に殺人鬼の子孫達によるゲームの開幕。
髪の毛が短くなってしまった祝に果たして出番はあるのか、
切は髪の毛が短くなった祝を愛し続けられるのか、
病院坂姉妹はおかっぱ頭になった祝を見てどんな反応をするのか。
それではまた来週お会いしましょう。
ありがとうございました、次回も宜しくお願い致します。
失礼します<(_ _)>