
正直言って、期待値が高すぎた感はありましたけどね。
少なくとも第六話までかけての大転換期を仕掛けた割には、インパクトが薄いというか、
同期の「がっこうぐらし」と比べると仕掛けの順番は逆とはいえ、やはり色褪せが。
そうでなくても過去の他作品と比べても、どうなんだろうという気が。
まぁあんまりフリートークを続けるとネガティブな意見が口を出ますが、
残り半分、最後まで観終わってこんなチンケな意見を吹き飛ばすような、
素晴らしい展開に発展する事を祈念申し上げまして、
私の今回の冒頭挨拶に替えさせて頂きます。
それでは宜しければ続きからご覧ください。















学校崩落に巻き込まれて、気が付けば病院のベッドの上。
そこで聞かされる、妹の死。
実感と認識が現実に追い付く猶予もなく、淡々と執り行われる歩未の葬儀。
気が付けば部屋に一人、乙坂有宇は妹の遺影を前に、
ずっと迷惑をかけ通しで何も恩返し出来ていなかった事、そしてこれから返す事も出来ない事、
戻らない時計の針の残酷さをここで初めて痛感し、孤独に涙を流します。
今まで当たり前の様に享受していた生活がどれ程恵まれたものであったか、
世界で唯一信頼していた家族を失い、男子高校生の日常は変容していきます。












妹のいない1人きりの部屋で、お手本のような引き篭もり生活を始める乙坂有宇。
自分では満足に食事も作れないのか、作る気力が湧かないのか、
電気も点けずに三食カップラーメンという謎の節約生活をざっと一週間以上でしょうか。
当然心配して高城や柚咲が様子見を兼ねた差し入れに来たりするのですが、
残念ながら完全に心を閉ざしている今の有宇には届かず、天の岩戸は開きません。
高城や美砂の能力を以てしても物理的な突破は無理ですし。
今更ながら良いセキュリティですね、というか美砂、普通に高城に体当たりを命じましたが、
友利会長といい、女性陣は高城の事を都合よく扱い過ぎてて流石に不憫。















そんな絶対不可侵の領域に臆せず飛び込んできたのは誰あろう、
第一話以来の登場となるかつての想い人、前学園のマドンナ・白柳さん。
声聴いた時は驚きましたが、それ以上にどうやって玄関のカギを突破して侵入を果たしたのか。
まぁこの子を舞台に上げられるのは友利会長くらいのものなので、
そこのツテで管理人を動かしたのか、そんな彼女に有宇は初対面の様な対応っぷり。
いみじくもかつては好かれようと努力を重ねた想い人に対してすらこんな状態とはねぇ。
色々とあって別れる事になりましたが、それでも命の恩人であるという認識は変わらない様で、
何とか社会復帰をして貰おうと、親身な申し出を繰り返しますが、有宇は取りつく島もなし。
可愛い女の子が「何でもします」と言ってるのに買い物を頼む程度とは・・・・・・。
かつてのゲス坂は一体何処へ消えてしまったというのでしょう・・・・・・嘆かわしい限りです。
ていうかキレた顔がルルーシュに見えて仕方ない。





















善意の救済者であった白柳さんを退け、更に数日後、遂に決断の時。
強制的に介入を果たそうとする組織の面々を玄関前に迎えて、
その軍門に降る事を良しとしない有宇は能力を活用して彼らを排除。
カップラーメンだけでもこういう頭の回転は鈍っていない様で、悠々脱出に成功します。
ATMで全額を引き出し、協力者の感知を意識して出来るだけ遠くへ。
適当な駅で降り、ネットカフェにしけこんで、超感動アニメを鑑賞しながらピザを喰う。
そんな難民生活を暫く送っても追手がこない事に拍子抜けしたのか、
そのままダラダラと居座ってひたすらピザまみれの生活。
特に本人が何か失敗したわけでもないのに、怒涛の転落人生を送っています。




































追手がかからない事をどう捉えたか、外に出る事に抵抗が薄れてきた有宇。
それにしても今回はひたすら1人暮らしの男子高校生の食生活を覗いている感じです。
栄養バランスも何もあったものではない、即物的で場当たり的な摂取内容。
しかしみたらし団子はその中でも特にお気に入りなのか、
人生で初めて知ったガンシューティングの面白さと共に、生活ルーチンに組み込まれる程に。
そこからお金を万単位で浪費し、ネットカフェで寝泊まりしてゲーセンに通い、
ピザとみたらし団子を食べ続ける罰ゲームの様な日々を繰り返す毎日が始まります。
で、そんな荒んだ心で暮らしていればトラブルもあるわけですが、
便利な能力のお蔭で大抵の苦難は乗り越えられちゃうから困りもの。
喧嘩の内容そのものはかなり綱渡り的なんですが、それを成功させるのも有宇の力か。
気が付けば地元の顔役すら下して、その悪行と狂気には歯止めが利きません。

















不自然なまでに、ここまでずっと姿を見せなかった友利会長。
その能力が価値を持つのは限定的な状況においてのみだと理解はしていましたが、
まさか冒頭からずっと有宇の側にいて、何も言わずに見守っていたとは。
途中、様々な蛮行を目撃しても手を出さず、口も出さずとはどれ程の心の強さか。
歩未を死なせた責任を一身に背負い、だからこそ有宇の側にずっと控え、
今のこの時、これ以上堕ちると戻ってこれないところまで待っていたその友利会長が、
その責任で以て有宇を引き戻す為に、一口だけ食事に付き合え、と提案します。
何が出てくるかはもう分かり過ぎる程に分かり過ぎてますが、成程ねぇ。


















展開が分かっているからといって感動が来ないわけでは全然ないんですよね。
一口食べて、その味が歩未の、そして母親の作っていたものと同じだと認めた時の、
友利会長の柔らかい微笑が非常に温かく心に染み込んできました。
そして明かされたネタ晴らし、母親が遺したレシピノートの存在。
今更ながらに歩未が拘っていた“乙坂家秘伝ピザソース”とオムライスの意味を知り、
そして友利会長の心遣いを支えに、有宇はようやく憑き物が落ち、復活。
生徒会への復帰を約束し、長かった逃避行はこれにて終焉を迎えます。
思った方向とは違う展開でまとまりましたが、これはこれで良し。
でも今後果たしてどういう方向に話を持っていくのか不透明にはなりましたかね。
てっきり妹をどうにか取り戻す方向で有宇がもがき始める展開を予想していたので。
ともあれ、ごちそうさまでした。
ありがとうございました、次回も宜しくお願い致します。
失礼します<(_ _)>